「介護の負担は、これからもっと増えるの?」——2027年度(令和9年度)の介護保険制度の見直しに向けて、いま国で大きな議論が続いています。特に注目されているのが、「2割負担」の対象拡大とケアプランの有料化。結論から言えば、どちらも2026年度中に方向性が決まる見込みです。本記事では、厚生労働省と財務省の最新の動きを整理し、ご家族が今からできる備えを、介護のお金の視点でわかりやすくお伝えします。
2027年度改正の全体像 ―「第10期」に向けて
介護保険は3年ごとに見直され、2027年4月からは新しい「第10期介護保険事業計画」がスタートします。これに向けて、厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会で見直しの議論が進み、意見のとりまとめは今冬が目途とされています。改正案は通常国会で審議され、成立すれば2027年4月1日の施行が予定されています。
今回の見直しで軸となっているのは、次の3つのテーマです。
- 人口減少・サービス需要の変化への対応
- 介護人材の確保と、職場環境の改善・生産性向上
- 地域包括ケアシステムの推進
これからの日本は、高齢者が増えるだけでなく「支え手(生産年齢人口)の減少」が加速します。国は2040年を見すえ、限られた人とお金で介護を続けられる仕組みづくりを迫られています。負担の議論も、その大きな流れの中にあります。
焦点①「2割負担」の対象は広がる?
介護サービスの自己負担は、原則1割。一定以上の所得がある方は2割、さらに所得が高い方は3割を負担します(現在、2割となる目安は、単身で年金収入とその他の所得の合計が280万円以上など)。ご自身の割合は、毎年7月ごろ市区町村から届く「介護保険負担割合証」で確認できます。
財務省の財政制度等審議会は、2026年6月26日の建議で、この2割負担の対象をもっと広げるよう求めました。一方で厚生労働省は、急な負担増への配慮も検討しており、「預貯金など金融資産が一定額以下の人は1割のままとする」「当分の間は負担の上限を設ける」といった案も議論されています。
政府は2025年12月、いったん年内の決定を見送り、第10期のスタート前(=2026年度中)に結論を出すと決めました。つまり、拡大するかどうかは、これから1年ほどの間に固まります。
7月ごろ届く「介護保険負担割合証」を見れば、いまの自己負担が1割か2割か3割かがひと目でわかります。手元にない場合は、お住まいの市区町村の介護保険窓口で確認できます。
焦点② ケアプランは有料になる?
これまで自己負担なしで作成できた、ケアマネジャーによるケアプラン(介護サービス計画)に、利用者負担を求める案も長く議論されています。今回は特に、登録制となる有料老人ホームの入居者向けに「ケアプラン作成+相談支援」を新たな介護保険サービスとして創設し、負担を求める案が検討されています。こちらも、今後の議論の行方が注目されます。
なぜ今、負担の議論が進むのか
負担が増えるかもしれない、という話は不安なものです。けれど、その根っこにあるのは「介護保険という仕組みを、この先も続けていけるか」という切実な問題です。
介護保険は、私たちみんなで支え合う限りある財産です。だからこそ——使えるサービスは賢く使いながら、自立支援でご本人の「できること」を守り、制度に頼りすぎずに済むご家庭を増やしていく。その積み重ねが、結果として介護保険を次の世代に残すことにつながります。
家族が今からできる、3つの備え
制度改正は「決まってから慌てる」より「今から備える」が正解です。今日からできることを3つにしぼりました。
- 自分(家族)の負担割合を知る……「介護保険負担割合証」で1割・2割・3割を確認しておく。
- 使える制度を取りこぼさない……高額介護サービス費や各種控除、給付金は、申請しないともらえません。介護にかかる平均費用の記事もあわせてご覧ください。
- 自立支援で重度化を防ぐ……要介護度が上がるほど、負担も重くなります。ご本人の「できる」を守るかかわりが、いちばんの節約でもあります。自立支援介護とは?の記事で基本をご紹介しています。
負担を軽くする二本柱は、「使える制度の確認」と「重度化を防ぐ暮らしづくり」。制度の動きを気にしすぎるより、この2つを今日から始めることが、いちばん確実な備えになります。
まとめ
2027年度の介護保険制度改正では、「2割負担」の対象拡大やケアプランの有料化が焦点になっています。結論は2026年度中に出る見込みです。私たちにできるのは、正しく知り、使える制度を活かし、自立支援で備えること。最新の動きは、当サイトで続けてお届けします。
出典・参考
本記事は、以下の公的機関の資料および報道をもとに、当サイトが独自に整理・要約したものです。制度の詳細や最新の決定内容は、必ず厚生労働省・お住まいの市区町村の公式情報をご確認ください。
※本記事は制度に関する一般的な情報提供であり、個別の給付・負担の判定を行うものではありません。
